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トランクのハンドプレス機を試用する [ペンケース]

先日からペンケースのオーダーを再開したところ
ポツポツオーダーを頂いているのですが
そのブログメールでのオーダーに紛れて
別の件でのメールが来ていました。

ハンドプレス機の会社の方からで
「革の型抜きがあまりに大変そうなので」と、
自分のところの製品をデモで貸し出すので
使ってみて意見を下さい。
という内容のメールでした。

おぉ~、興味ある。

ペンケースには一部ヌメ革を使っています。
手に水泡やアザを作ってまで抜き出した革は
そこそこ在庫がはけてきているので
また適当に時間を見つけて抜かなくては…。
と思っていたところ。

ベルメックスのハンドプレス機だって
すごく役に立っているけど、そこそこ力仕事なのには
変わりがないわけで、これをいかにラクにできるか。
てのは大事です。

今回ご連絡いただいたのはトランクさん

まずは抜き型の寸法がわかるイラストなどを返信して、
会社で抜き型のサンプルを作成したら
プレス機の作業を動画に撮って送る、という
提案を頂いて、確認後に本体が到着しました。
PP板が2枚と厚紙を付属していただきました。

使いづらい部分なども率直に、ということですので
忌憚のない意見を述べたいと思います。

送って頂いたのはコチラ

重量は4kgと、ベルメックスの15kgよりだいぶ軽い。
価格はベルメックスが12800円だったから、4倍ぐらいする。

傷を恐れて床にカッティングボードを敷いてみたけど
多分不要だったと思われます
2017-03-12 12.35.32_R.jpg
PP板が2枚と厚紙を付属していただきました。

原理としてはテコの原理でカムの力だけなので、
これはベルメックスと同じです。
ハンドレバーは短くて、ココから
2017-03-12 12.36.39_R1.jpg
ココまでの角度が可動域
2017-03-12 12.36.56_R1.jpg
これで16mmのストロークだそうです。

押すレバーの形状はコレは良い。
2017-03-12 15.51.11_R.jpg
円柱のバーを差し込む式だとネジで固定しても面がないから
固定の面がどんどんずれてきてスコーンと抜けてしまうけど
このレバーは噛ませる面があるからバーが抜け落ちない。
ネジで留めるとこうなる。
2017-03-12 15.51.45_R.jpg

本体の重量が軽いので動いてしまわないか?
という心配がありますが、ハンドルが付いているので
安定して作業できます。
2017-03-12 12.35.32_R1.jpg

さて私が使うのは1.5mmのヌメ革です。
革には厚みの他に硬さもあるのだけど、
伸びてしまわないためにわりと硬いものを使っています。

抜いていきます
2017-03-12 12.49.00_R.jpg
板2枚というのは板同士がずれるのでやりにくい。
自分の分厚いPP板を使おうと思ったら
微妙に分厚すぎて合わないので
付属のPP板をガムテで固定します(ごめんなさい)
2017-03-12 12.34.55_R.jpg
高さはこれでOK

高さ調整が済んだところで
どんどんいきましょう。

もう少し懐の深さが欲しい
2017-03-12 12.49.31_R.jpg
2回ないし3回に分けて型をずらしながらプレスを掛けるので
抜き型に対してプレスを掛ける円盤は
型の全部をカバーできていなくてもいいのだけど
2017-03-12 12.49.00_R.jpg
このようにプレスした後、
「板ごと向こうに押してずらして」プレスをかけたい。
2017-03-12 12.49.31_R1.jpg
のだけど、懐が狭いとそれができない。
2017-03-12 12.49.00_R1.jpg
極端な話、こうなってしまうから
2017-03-12 12.45.58_R.jpg
革と抜き型のみを向こうにずらすことが必要。
そうすると革から抜き型が若干浮いたりして
ズレが生じやすい。

このプレスを掛ける部分が青矢印のような配置になっていて
もう少し懐が深くなれば、板ごとずらせるのだけども。
2017-03-12 12.38.00_R1.jpg
そうすればすごく良いと思う。

オットの力だと割とサクサク抜けていく。
やっぱ女の力だと「すごいサクサク」ではないので
穴開けパンチみたいにバネの力が欲しい。
押す力と戻す力を助けてくれるバネ。

あと、最初に円盤の高さを調整するのに
板の調整にちょっと苦労したのだけど
高さをネジかなんか、セットポジションの調整ができると良い。
それか、ストロークの幅自体をも更に大きく持たせるか。

板で調整、ってなると板の種類ばっかり増えてしまう。

けど、円盤の高さを本体で調整できるようにすると
コストが高くなるのかもしれないし
それなら安いPP板を何種類か揃えて
自分のツールとした方が良いのか...

売る時にこの円盤の高さに合った抜き型と
PP板をセットで買えるように商品展開をしてもらうのも
手だけど、すでに抜き型を持っている人が「よりラクに」
と購入するのであれば、やはり本体が調整できるものだと
購入したい人は多いだろう。抜き型も購入先によって
高さなんかが異なるわけで...

作りたいものを作るための道具を作るってのは
使い手のニーズが限局しているのに汎用性を持たせないと
製品としてはそれこそコストがかかりすぎて
趣味でなくて仕事として成り立たせるのは大変ですけど。

というのが感想。


いや自分以外のハンクラやる人の程度ってのが
良く分からないのだけど、
モノヅクリを個人の趣味の範疇でやってる人って
ちょっと変わった人が多い。「普通そこまでやらないよね」
ってことを結構平気でお金をかけたり出かけて行ったりするし
大体は配偶者から嫌がられている。
「なんでそこにそんなお金かけるの。」って。(え?)

お店に行くなりネットショップで買うなり
手間とか送料とか考えると、PP板1枚買うのも
けっこう面倒な話なわけです。

私の場合で言うなら、自分の思いついたことを形にするためには
いろんなお店からいろいろかき集めて作業します。

なかなかニッチな世界なので揃わないし
統一された規格ってのがあまり無くてオリジナルが多かったり
似ているけど微妙に違ったり合わなかったりすることがある。

例えば、革の抜き型で言うなら、抜き型を作っている
抜き型屋さんに欲しいものをオーダーする。型屋さんには
欲しいプレス機がなかったから、ベルメックスに発注する。
(これだって探すのはけっこう大変だった)
ゴム板は扱いが無いから鉄砲カンを購入しているお店から買う。
カシメはまた別の業者、カシメを留めるペンチ型のハンドプレスは
Amazon。

そんな感じです。

これが1つのメーカーとして全部1つの場所で揃うか
別のメーカーでも同じ規格だと良いのだけど、
購入先も違えば規格なんか無いに等しいもんで
自分の使っている型の高さとPP板の厚みがあっているかどうかは
使ってみないと分からない。

1000円のPP板を買うのに800円送料、ってなると
やっぱり買うのを悩む。
しかも届いてみたらやっぱりちょっと何ミリか
合わない。ってなるともう一回同じコストがかかる。
始めから何種類か買って返品するのも送料はかかる。
幅広くいろいろ作りたい場合はそれが何度も繰り返されたり
今回みたいに付属していただいたPP板をガムテで留めたり。

一度揃ってしまえばなんてことないのだけど
揃えるまでにちょっとしたお金が掛かりすぎる結果「できない」とか
不便さや妥協が生じて「ちょっとおかしいけど手作りだから仕方ない」
という手作り感が炸裂するのだ、と思っている。

だから私も割とここにコストを掛ける変な人だけど
正直、「これとこれとこれを合わせて使うのがベスト」と
いうのが分かって組み上げるまでにどれだけ無駄遣いに
なってしまったかと言うと、...ニャハハ。

...これはオットも同じようなことをしているからオアイコ (キリッ


でも「めんどくさい」とか必要なコストを越えてて
「もったいない」ってなると納得のいくモノづくりはできないし
そうなったら自分で作る意味はない。

「買って済むものは買えばよろしい
・売っていないものは作ればよろしい」というのが
私が思っていることで、クオリティについては
「作ったものだからおかしくても仕方ない」にはしたくない。

「自分にしか必要ないもの」にどれだけコストをかけるか?
これが「できない(それだけコストをかける価値はない)」と
「納得できるモノヅクリ」の境目だとも思う。

プレス機の感想とか言いつつちょっと脱線しちゃったけど
モノヅクリに対しては、アイディアを形にする面白さってのが
一番大きいと思う。

自分1人でも、クライアントの要望を入れて
複数人数で作り上げるにしても、あーでもないこーでもないと
考えて作っていく面白さというのがある。

(だから最初にモノヅクリをするコストを無視して
作り方だけをチャチャッとネットで調べて
人のデザインをパクってハナから自分が作ったかのように
SNSにアップする輩には腹がたつ。
かわいくできたよー、どれをどんな風に使えばいいんだよー、って
ソレお前が苦労して作り上げたたわけでもないのに
ソースも載せずに得意げにアップしてどんだけ厚顔無恥なんだと。

既製品にしても、最初に作った会社の製品をサンプルにして
勝手にPDCA回して自分とこが安く作って出すっていう企業も嫌い。
原理が同じとかではなくてデザインやアイディアをパクるって無い。
だから純正品が好きだし薬剤もジェネリックじゃなくて先発品を希望するし
ナガイレーベンの白衣のデザインをパクってオリジナルです、とか言って
粗悪な生地で安く出してくる看護師通販雑誌なんか
「中で働いている人、つまんないだろうな」って気の毒になる。

※この前から話題のウサギ食パンも、すぐパクられるだろうなぁ。
あの型を発案した人は自分のアイディアで型屋さんに作ってもらって
あの型ならではの焼き方を確立するためにはすごい労力と面白さがあったと思う。
だから「カワイイ」だけをパクったパンなんか意味がない。
(でも買う人ってのは居るんだよなぁー。)


「私が考える使いやすい良いモノ」というのを
探求する人やお店は応援したいと思います。

トランクさん、ありがとうございました。
週末返送させていただきます!




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コメント 8

yes_hama

・・・かなりディープな記事内容にコメントが無いようですが(汗)、この記事の意見を基に次の商品に活かされるといいですね。
個人的には、たった180度?のレバー作動角で(しかもレバーがそんなに長くなさそう)革を打ち抜いてしまう効率の良いところには感心してしまいました。レバーが長かったり回転角が多いのも逆に使い勝手が低下してしまうでしょうから。^^;
おそらく懐が狭いのも、そういった全体的な仕様のバランスから来ているのではないでしょうか。^^;ナニヲエラソウニ
by yes_hama (2017-03-15 23:12) 

ryang

yes_hamaさん
ありがとうございます^^;
そうなんです、コンパクトで場所の移動も楽です。
円盤が抜き型全部をカバーしていなくても抜けるとの
ことでしたが、やはり私の力ではなくことができなくて
場所を変えながら、というかんじでした。
ハンドプレス機の設計は私は門外漢なのでわからないのですが
これまたハンドプレス機の方も、モノヅクリとして
色々検討しながら作り上げていく面白さですよね。
by ryang (2017-03-18 11:46) 

のらん

なんか、ハンドプレス機屋さんから、デモ試用をオファーされるってスゴい〜(^.^)
ryangさんの、こだわりにこだわった目線で、このハンドブレス機さんもまた、ひと皮むけて、リッパな大人に成長するのだねぇ♪
by のらん (2017-03-18 14:07) 

ryang

のらんさん
そうですねー、やはり使う側のニードを拾う、というのは
作り込んでいく上で必要です。
しかしこのハンドプレス機はよく出来ていて←何目線
移動も楽でした。
お金があれば購入したいですけど、糸目だらけの懐事情が(T_T)
by ryang (2017-03-18 23:59) 

Chobi.H.YAOITA

新しい工具、ワクワクしますね!
今回はちょっと残念でしたが、次回はサクッと抜けるような改良をしてくるかもしれませんね^^
たとえばジャッキとか、ハンドルでネジを回す万力プレスとか、うどんを捏ねる丸太のテコとか、軽い力でギュッ締め付ける仕掛けはまだたくさんあると思うので、これからに期待です。それにしても金型ってすごいお金かかるんだろうなあ…(遠い目)
by Chobi.H.YAOITA (2017-03-19 03:24) 

morichan

いろんな方の使用レポートをもとに、
もっとブラッシュアップしていくのでしょうね。
そこに関われたことも、貴重な体験ですね(^^)
型を抜いている絵が、
クッキーの型を抜いてるみたいに見えて、
シロウトながら興味津々でした!
by morichan (2017-03-19 10:44) 

ryang

Chobi.H.YAOITさん
慣れて来たらサクッと抜けるようになって来ました!
使う方の腕が悪かったのもあるようです(T_T)
軽い力で抜けるようにするとコストが膨れますかねぇ、
でもぜひそうなってほしいです。
金型、私が使っているのは送料入れて3000円くらい
だったと思います。スウェーデン鋼なのでローコストです。
by ryang (2017-03-20 06:36) 

ryang

morichanさん
そうなんですよね、作り込んでいくにはいろんな人からの
フィードバックからニーズを探求していくのも必要で
私もその1人として加われて良かったです^^

革の型抜き、クッキーぽいですよね。
あれくらいポンポン抜けたらいいのにー。
by ryang (2017-03-20 06:39) 

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